今年7月にリトアニアの首都ビリニュスでユネスコによる第30回世界遺産保護会議が開催され、近年環境悪化が進むハロン湾の世界自然遺産からの除外を検討する案が出された。
ユネスコハノイ事務所のチュー・シュー・ケ代表はクアンニン省人民委員会に対し、現在ハロン湾近郊では、石炭採掘による河川・海への土砂流出、マングローブ林の伐採、養殖、観光分野、一般家庭から排出される未処理の廃水が重大な環境汚染を引き起こしており、更に建設が予定されているカムファ・セメント工場の影響も懸念されると通達している。
現在、同委員会では各地の世界遺産のうち、ハロン湾を含む34ヵ所を遺産リスト除外の検討地域としている。ユネスコはハロン湾管理員会に対し、カムファ・セメント工場とカイラン港建設による環境への影響調査を求め、来年開催される第31回会議で検討するという。