北部地方・フート省ラムタオ郡人民裁判所は22年前に冤罪を着せられた4人の住民に正式に謝罪し、慰謝料6億ドン(約360万円)を支払うことを決定した。この事件は1984年に魔法瓶2つを盗んだとして住民4人が懲役判決を受けたが、数ヵ月後に真犯人が見つかったにも関わらず当時の裁判所が彼らの無罪証明を行わなかったものである。身の潔白が公に認められなかったため、4人の冤罪被害者は本人だけでなく家族までもが村八分にされたり公的書類の発給を拒否されたりといったいわれのない嫌がらせを受け続けてきた。
今回、裁判所が非を認めた背景には、誤解による偏見が子供や孫にまで及ぶのを断ち切ろうと自ら人民委員会や検察庁との折衝を続けてきた被害者の1人であるスアンさんの不屈の努力がある。スアンさんの話ではかつて間違った判決を出した関係者の多くが現在要職についており、自らの体裁にこだわって過去の過ちを認めようとしなかったことが大きな障害であったという。