先日、カマウ省の3軒の農家が大麻を栽培していたとして公安の取調べを受けた。それまで同省では大麻関連の事件は一件も起こったことがなく、なぜ貧しく実直なこの地区の農民が大麻栽培に手を染めたのか、直接話を聞いてみることにした。
彼らによると、ある日一人の雑貨商が村にやってきて、持ち帰って家に植えるように、と一掴みの種をくれた。それは家畜や鶏に大変良い薬となる草で、鶏は病気にならないし、豚は速く大きくなる、と言われて早速家の周りに植えて大事に育てたと言う。
公安の知るところとなったのは、この「薬草」を彼らが他人に売り始めたことに疑いを持った近所の農民が通報したためである。しかし公安の取調べでも、彼らは一様に「腰痛にとても良く効く」「これを食べさせてれば鳥インフルエンザの心配もない」などと全く動じる様子もない。それもそのはず、この辺りの人々はそれまで大麻を実際に見たことがなく、どのようなものか知らなかったのだ。地元の公安ですら見ただけでは判断がつかず、検査によってやっと大麻だと分かったほどだ。
公安では、何者かが貧しい農民を利用して大麻を植えさせていた可能性もある、と慎重に捜査する方針だ。