ベトナム電力総公社は15日午後、家庭用デジタル電気メーター26万個の納入入札に関する汚職容疑でホーチミン市電力公社のレ・バン・ホアン副社長を職務解任処分とした。
これは、ホーチミン市フーニュァン区の住民から、新たに取り付けられたデジタル電気メーターの進みが以前に比べ早すぎるとの通報から明らかになったもので、この31万2,000個のデジタル電気メーターの納入先を調べていたところ、ホアン前副社長の不正納入入札関与が発覚した。
このため工業省ではハノイから査察団をホーチミンに送り、これまで9回にわたりホーチミン電力公社の査察を行なってきた。その結果、当時入札審査担当だったホアン前副社長は、息子が実質的オーナーを勤める2社に不正に納入権を与え、高価な電気設備などの価格を水増しし納入させていた。
今回問題になったデジタル電気メーターも、ホアン被告が関わるシンガポールのダミー会社と31万2,000個の納入契約を結び、これまでのアナログ電気メーターがまだ使用できるにも関わらず、同市フーニュァン区内の26万世帯のアナログメーターを次々にデジタルメーターに付け替えていった。
さらに、このデジタル電気メーター納入契約によると、輸入するのは完成品だったにも関わらず、ホアン被告はより安価な部品の状態で輸入し、ホアン被告が所有する4階建ての自宅で組立作業を行なっていた。その後、公社には完成品が納入されたことにし、最終的に納入価格の水増し分のほか、組立による利ざやを不正に手に入れていた。不正入手した金額は明らかにされていない。