東南部ドンナイ省に所在していた三洋電機のベトナム子会社元社員が6億円以上を横領し、愛人に貢ぐなどしていた事件の上訴審裁判で、ホーチミン市最高人民裁判所は24日、「禁錮20年の判決では軽すぎる」という検察側の主張を受け入れ、西村勢津夫被告(58歳)に対し終身刑の判決を下した。24日付VNエクスプレスが報じた。
西村被告は2008年7月から2009年4月まで、財務責任者の立場を利用して勤務先の資金を横領していた。被告は合わせて53万ドル(約5200万円)と1325億ドン(約6億3000万円)を勤め先の金庫や銀行口座から横領した。
検察の調べによると、西村被告は横領金の一部をバー開業資金として愛人のズオン・ティ・タイン・ニャン被告(他人の犯罪行為により得た資産を使用した罪で起訴済み)に渡したほか、要求されるままニャン被告に貢いでいたという。ニャン被告は受け取った金を交際費、海外渡航費、ギャンブル代などに使っていたと見られている。
一方、ニャン被告は、西村被告から受け取ったのは300億ドン(1億4400万円)だけで、その一部は西村被告に既に返済したと供述。だが金銭授受を証明する物証がなく、実際に愛人がどれだけ受け取ったのか依然不明のままとなっている。