7月22日、北中部ハティン省カムスエン郡でグエン・バン・フオン君(7歳)という男の子が地元の診療所に救急搬送される途中で不審な死を遂げたため、地元警察が捜査を開始した。警察によると、死亡当日の夕食の際フオン君は父親から酒をおよそ10杯飲むよう強要され、その後体調不良を訴えて横になっていたところ容体が急変したという。警察は7月24日午後、フオン君の遺体を解剖して内臓を採取、公安省刑事科学研究所に送付して死因についての詳しい分析を依頼した。
この事件に関しては、もしフオン君の死因が急性アルコール中毒だった場合、法律で飲酒が認められていない16歳未満の児童に飲酒を強要した父親の行為は違法であり、刑事責任を追及できるとの見方がある。その一方、ベトナムの田舎では父親が息子に酒を飲ませるのは一般的な風習であり、フオン君の父親も幼い息子に酒を飲ませることが危険だとは認識していなかったとして刑事責任は問えないとする法律家もいる。
しかしホーチミン市のある病院の医師によると、アルコール中毒が死に結びつくかどうかは個人の体力や抵抗力、酒の品質や濃度などさまざまな要素が関連するが、フオン君のように一度に10杯もの酒を飲まされた場合、たとえ死は避けられても神経系統や内臓の発育が妨げられ、後遺症の残る可能性が高いという。