中部クアンナム省で10日、今年5月に発生し、死者・行方不明者300名以上を出した台風1号(アジア名:チャンチー、※関連ニュース参照)に巻き込まれ、その後3ヶ月間消息を絶っていた漁師のグエン・ヴァン・フォンさん(34)が、突如帰還して家族らを驚かせた。
フォンさんは、乗っていた船が台風による高波の影響で海に投げ出されたが、浮き輪につかまって漂流、やがて小さな島に流れ着いた。その後、運良くクアンガイ省の遠洋漁船に発見、救助され、そのまま1ヶ月以上漁に参加していたのだという。
数日前、この船が漁を終えて寄港したため、フォンさんはようやく家路に着くことができたが、すでに帰らぬ人になったしまったと思っていた家族は一様に驚き、「幽霊がでた」とおびえる人々も一部でみられた。一方のフォンさんは、生死をさまよい再び故郷に戻ることができた運命に感謝しつつ、仏壇に置かれた自分の遺影を手に取り、感慨深く見つめていた。