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在米越僑の俳優・監督ダスティン・グエン氏がメガホンを取った映画「チュンソー(Trung so)」(「宝くじが当たった」)が、12日からベトナムの映画館で上映されている(英語字幕あり)。この映画は、有名脚本家グエン・マイン・トゥアン氏が、2011年に起こった宝くじにまつわる夢のような実話を元に脚本を執筆したハートフルコメディだ。
メコンデルタ地方ロンアン省で宝くじを売って生計を立てている女性ファム・ティ・ラインさんはその日、宝くじの回収時間が迫る中でもなかなか売れず、困り果てていた。そこでラインさんがいつも宝くじを買ってくれる荷車運転手の男性ドー・ゴック・トゥアンさんに連絡すると、売れ残っている宝くじ20枚を買ってくれることになった。
その日の午後、仕事中だったトゥアンさんに代わってラインさんが当選結果を確認すると、驚いたことにトゥアンさんが買った売れ残りの宝くじ20枚のうち10枚が当選していた。当選金額は計66億VND(約3700万円)。
ラインさんは、事の成り行きをまだ知らないトゥアンさんに当選したことを黙っていれば大金が得られたところを、「売れ残った宝くじを買ってくれるのはいつもトゥアンさんだから」と、宝くじに当選したことを報告。するとトゥアンさんは、自分に幸運をもたらしてくれたラインさんへのお礼として、当選した宝くじ1枚を彼女にプレゼントした―
この話に心を打たれたダスティン・グエン監督が、ベトナム南部の農村を舞台に情け深い2人の姿をユーモアを交えて再現。この映画を通じて、暗い現実の多い現代社会の中にも、人の優しさや温かさは存在しているということを伝えている。
ラインさんを描いたトム役を熱演したのは、演技派女優として高く評価されているニン・ズオン・ラン・ゴックさん。また、ダスティン・グエン監督自らが宝くじに当たったトゥアンさん(トゥー・ギア役)を演じた。このほか、有名お笑いタレントのチー・タイさん、トゥー・チャンさんらが映画の脇を固めている。