(C) vietnam+, 授賞式でのグエン・ホアン・ディエップ監督(中央) |
11月25日から12月2日にかけて開催された第36回ナント三大陸映画祭で、グエン・ホアン・ディエップ監督の長編映画「空中で翼を打つ(Dap canh giua khong trung)」が審査員特別賞を受賞した。同映画祭は、フランス・ナントで1979年から毎年開催されている映画祭で、アジア・アフリカ・南米の3大陸の作品に特化している。
スイス・ロカルノ国際映画祭キュレーターで、ナント三大陸映画祭の審査員を務めたアウレリエ・ゴデト氏は、「今夏行われたロカルノ映画祭で、このような秀作を見落としてしまったことが今更ながらに悔やまれる。情熱的でありながらも洗練された作品で、音楽の使い方も見事。この作品に出会えたことを幸運に思う」と評し、ベトナムの女性監督に最大級の賛辞を贈った。
「空中で翼を打つ」はこれに先立ち行われた第71回ヴェネツィア国際映画祭で、ヨーロッパ・地中海映画批評家協会より最優秀映画賞を受賞。その後、第39回トロント国際映画祭のディスカバリー部門でも上映された。この他、同作品はこれまでにブラスチラヴァ国際映画祭の最優秀監督賞、ハノイ国際映画祭の審査員特別賞も受賞している。
なお、第36回ナント三大陸映画祭のグランプリ(金の気球賞)は、韓国の鬼才ホセ・サンス監督の「自由が丘で」が受賞した。同作品の主演は日本人俳優の加瀬亮。かつて恋人だった韓国人女性を追いかけてソウルへやってきた日本人男性モリを演じている。