(C) dantri 写真の拡大 |
- 路線バス5路線の運行を計画、運行中1路線
- ▲336億VND(約2億0500万円)の赤字計上
- 運行コストに対する補助金の割合44.1%
ホーチミン市では、電気バス路線の試験導入から2年が経過したものの、補助金の不足とデポ(車庫)用の土地の未確保により、電気バスの展開が難航している。これは、同市交通運輸局が先般発表した報告で明らかになったもの。
地場系コングロマリット(複合企業) ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンバス・エコロジー輸送サービス(ビンバス=Vinbus Ecology Transport Services)の提案により、VIC傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)製の電気バスを投入して路線バス5路線を運行する計画が2022年から進められてきたが、2024年5月時点で運行されているのは1路線のみとなっている。
運行中の路線は、VICが開発した同市直轄トゥードゥック市の新都市区「ビンホームズ・グランドパーク(Vinhomes Grand Park)」と、1区のサイゴンバスターミナル(Ben xe buyt Sai Gon)を結ぶ「D4番」だ。同路線は2022年3月に運行を開始した。
2年間の運行の結果、同路線は▲336億VND(約2億0500万円)の赤字を計上した。理由として、補助金が十分でないことが挙げられる。
同路線の1便当たりの運行コストが70万2496VND(約4300円)なのに対し、1便当たりの補助金は30万9800VND(約1890円)程度に留まっている。運行コストに対する補助金の割合は44.1%となる。
同市交通運輸局は同市人民委員会に対し、同路線への支援策として、運行コストに対する補助金の割合を64.8%へと引き上げるよう提案した。
なお、ビンバスは5路線で合わせて100台を運行する予定で、トゥードゥック市に1.5~2.0haのデポを建設する計画だ。しかし、手続きが煩雑であるなど、デポを配置する土地の取得が難航しており、残る4路線の導入にもマイナスの影響を及ぼしているという。