2025年に大阪万博の開催が決定しましたが、思えば今から十数年前、名古屋の愛・地球博(愛知万博)の会場で、現場ついでにベトナム館に何度も通ったところ、突然べトナムに興味を持ち、何の頼りもなく一人でふらっとホーチミンに遊びに来たのが、私のベトナム進出のきっかけでした。
この国が気に入った私は、犬のオシッコのように駐在事務所を開き、そして約2年かけて業界(イベント関係)の調査活動をたった1名の女性ローカルスタッフ(現AABベトナムローカル代表)とベトナム全国を北から南まで巡りました。行政関係から業界関係、サプライヤーのオフィス訪問、イベント会場のロケーションなど、当時は駐在事務所で営業活動は出来ませんでしたが、恐らく業界の中で一番情報を持っていたかも知れません。
ベトナム進出時にいろいろな人に出会って感じたことは、とにかく適当・怪しい 。会う人会う人が「そうか、日本人のイベント会社か!珍しいな!よっしゃ、とにかく私に何でも言え」と親切そうな顔をして言ってくれる。私も最初は「この国の人はなんていい人ばかり…」と思いきや、結局、聞けば聞くほど何も知らない…。
イベント会社の友人(?)を紹介してもらうと、自宅に連れて行かれ、まずはビールを飲まされる。機材があるというので見に行くと、別会社の汚い倉庫に連れて行かれ、その別会社の人は紹介もしてもらえない。行政関係に会えば「ちょっとコーヒー飲もう!」と外へ行き、 「私が全部できる!」とにかくそれだけ です。
今よく考えてみれば、 この国の文化なのか、商売上手なのか日銭が欲しいのか、みんながみんな何でもできる何でもブローカー なんです。日本人の皆さんも、ベトナム進出時に生活面を含めて、実体験、または感じたことではないでしょうか。私のように好きでこの国へ来ている変人は別として、日本人が一人でポツンとべトナムへ送り込まれると多かれ少なかれ、やっぱり騙される(された)はず。一人ぼっちは淋しいし誰かに頼りたくなる時もありますよね。「何でもできる」と言われたら、頼ってしまう気持ちもよく分かります。しかし、現在は様々な 専門分野の日系企業も沢山ベトナムへ進出してきていますので、「何でもできる」時代ではなくなりました 。
最近はあまり見なくなりましたが、当時はインチキコンサル日本人も多くいたような気がします。もしかしたら日本人の方がベトナム人よりもっとタチが悪いかも?特に何でもできるという何屋さんかよく分からない流暢なべトナム語を話す日本人は要注意です。日本で何をやっていたのか?と疑問に思うような、急にベトナムでデビューしたような方にも要注意。とにかく自分の事は自分でする(自分で考える)事が大切です。