3人は細身の体型で、アルプス山脈の近くの出身でもあったため、登山のスキルを持っていた。3人の中で最も小柄で体育教師だったバシュラール氏が、尖塔に登って旗を掲げる役割を担った。パリオー氏はバシュラール氏をサポートしながら一緒に登り、グラフ氏は下で見張りをする役割だった。
(C) VnExpress |
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バシュラール氏が先を行き、パリオー氏が後に続いた。2人はまず、1本の木によじ登り、大聖堂の屋根を進み、鐘楼を通って、大聖堂の中央の屋根にそびえる尖塔にたどり着いた。頂上に登るには、使徒たちの像を越え、尖塔の中の階段をひたすら登らなければならなかった。
本で調べていたものの、本の情報と実際の状況は異なり、2人は危険に直面することになった。まず、1つ目の鐘楼から屋根の端までの距離が、本では1m程度となっていたにもかかわらず、実際には2.5~3mほどあった。助走をつけてジャンプしたいところだったが、ここでは不可能だった。
バシュラール氏が先にジャンプしてスムーズに屋根に降り立ち、パリオー氏も続いてジャンプしたが、足を踏み外してしまった。幸い、とっさに屋根の端をつかんで難を逃れ、バシュラール氏に引き上げてもらった。2人がいたところは地上から35mの高さだった。
後編に続く