その後、「911交通救助隊」は、ホーチミン市直轄トゥードゥック市のベトナム青年連合会の直属となり、青年連合会の管理下に置かれることになった。以来、「911交通救助隊」が事故現場に出動するたびに、チームがすぐに応急処置を行えるよう、野次馬たちもすぐに場所を空けてくれるようになった。
(C) thanhnien |
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「今でも思い出に残っているのは、救助隊を結成して1年ほど経ったころのことです。あるバイクタクシーの運転手が事故を目撃して、すぐに私たちに電話をかけてくれました。間もなく私たちが現場に到着すると、周りの人たちが『911が来たぞ』と叫んだんです。そのとき、周りの人たちが私たちのチームを心から信頼してくれることがわかり、とても嬉しかったです」。
ガンさんは現在、ホーチミン市のサイゴン工科専門学校で総合医療を学んでいる。他のメンバーも全員が救命講習を受けており、救命講習を専門とする組織から証明書を取得している。
2024年の年初からこれまでに、「911交通救助隊」はトゥードゥック市で300件以上の交通事故に対応してきた。さらに、チームは交通安全規定の普及や、道路冠水時の救難救助にも積極的に参加している。
ガンさんはこう語る。「どんなに小さな行動であっても、そこからポジティブなメッセージが生まれ、それは容易に広がって他の人の心を動かすと思っています。若いうちは果敢に行動しないと。思ったことは実行しましょう。若者の皆さん、あなたの物語は、必ず皆に伝わります。でも、自分が望んだ仕事を遂行するには、学び、知識を蓄えなければなりません。そして、その仕事を心から愛さなければなりません。そうすれば、容易に前に進むことができ、自分が選んだ道をしっかりと歩んでいくことができます」。