南中部沿岸地方クアンナム省ヌイタイン郡タムティエン村に暮らすグエン・ズイ・フンさん(男性・71歳)の家族は、フンさんと孫以外の5人が視覚障がい者だ。孫のグエン・ゴック・フオックさんは、このほど大学に合格した。
(C) tuoitre |
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フンさんはタムティエン村の小さな村落にある作業場で、精米をして生計を立てている。フオックさんも、この仕事を手伝っている。
フオックさんはクアンナム省に隣接する南中部沿岸地方ダナン市のダナン大学傘下工科大学に高得点で合格したばかりだ。これは、「暗い家」を照らす光のような、明るいニュースだった。しかし一方で、フオックさんが家を出た後のことを考えると、家族の心には不安も入り混じる。
今から約半世紀前、フンさん夫妻は故郷のクアンナム省を離れて南中部高原地方ダクラク省に移り住んだ。1人目の子供を産んだころ、妻のマイ・ティ・ロックさんの目に異変が起きた。ロックさんの視力は次第に弱くなっていき、数年後に家族全員で故郷に帰った。しかし、そのころにはロックさんの目は完全に見えなくなっていた。
夫妻には息子3人と娘1人の4人の子供がいる。4人とも生まれたときは健康だったが、母親のロックさんと同じように目の病気を患い、徐々に視力を失っていった。角膜変性症や白内障などで、完全に失明してしまった人もいる。フンさんは子供たちのために病院を渡り歩いたが、息子1人の視力がようやく30~40%回復しただけだった。