リエンさんは救護所を設置するときに、こうした事態が起きるかもしれないと考えてはいたものの、事故に遭った人を見ると放っておけなかったのだという。リエンさんは、常に良心に従い、責任感を持って行動しており、もし間違いがあれば法律が線引きをしてくれる、と語る。
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リエンさんの次男は、幼いときから国道で事故に遭った人を助ける母親の姿を見てきたため、2010年ごろから救護を手伝うようになった。以来、リエンさんと息子は昼夜を問わず何百件もの救護を行ってきた。地元住民の多くも手を取り合い、苦しみや困難を恐れず、事故を目撃すればすぐに救護に向かうようになった。
自宅に救護所を設置してから45年の間に、リエンさんは900人近くのけが人を「死神の鎌」から救ってきた。「2020年以前は、救護記録ノートは毎年数十ページにも及んでいたのですが、最近では年に1~2ページで済んでいます。これは私にとって、何より嬉しいことです。私の仕事がないということはつまり、事故のけが人が減っているということですから」とリエンさん。
長きにわたる献身と多大な貢献により、リエンさんは国や地方自治体からたくさんの表彰状を受け取っている。
75歳になり、膝の関節が痛んで歩くのが困難になったが、リエンさんはまだこの仕事を辞めるつもりはないという。「動けなくなるまでは続けて、その後は子供や孫たちに引き継ぐつもりです。健康なうちは続けますよ」とリエンさんは語った。