朝早くから家を出て、太陽がてっぺんに上って一息。さすがに疲れた時には公園の石のベンチに背を預ける。それも15分、そそくさと仕事に戻る。
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大雨のなか、最後の配達を20時頃にしたこともある。雨ガッパは被っていたが、全身ずぶ濡れ。「もう少しでお届けしますので」と配達先に電話を入れ、水が溢れた道を行く。濡れそぼった配達人に客は、代金3万5000VND(約210円)のところ、5万VND(約300円)渡してくれた。彼はその後熱を出し、数日間寝込んだ。
天候は相手ではないが、重い荷物は、さすがに仲間の助けが必要だ。「みんな良いヤツで、いつも手伝ってくれますよ」とクオックさんは言う。
「頑張ってるね!」お客さんからそんな言葉をもらうと、心は温かくなる。時間がある限り、仕事は断らない。いちばん遠いところでは、90km先に届けたこともある。そんな彼の頑張りを応援してくれる人は多く、ご指名も受ける。
1年ほど前、彼の働く会社は南中部沿岸地方ビンディン省クイニョン市に支店を出し、彼も故郷フーイエン省を離れて、そこで働くことになった。毎月、会社への支払い、バイクのローン、生活費を除いて、貯金できた200万~300万VND(約1万1900~1万7900円)は、両親に仕送りしている。