身体の一部を失った人々に希望を、本物そっくりの補装具製造で起業

2022/02/27 10:48 JST配信

 これまで500人以上から注文を受けてきたが、その中でもフックさんが特に印象深かったのは、3歳の時に事故で鼻の一部を失ったというホーチミン市在住の23歳の女性、タオさんだ。タオさんは、過去に何十回もの鼻の再建手術を受け、再建のために身体の軟骨を摘出したこともあるものの、全て失敗に終わったのだと打ち明けた。

(C) vnexpress
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 「私たちに会った時、彼女は希望を失っている様子でした。それまでシリコンの義鼻を製作したことはありませんでしたが、私とヒエップは何としても彼女のために義鼻を作りたいと思い、注文を受けることにしました」とフックさんは振り返る。

 何度も失敗を重ね、シリコンの義鼻はタオさんの顔にぴったりとフィットし、フックさんもヒエップさんも、タオさんも大喜びだった。「タオさんから、『20年間近くコンプレックスを抱えて生きてきたけれど、人に会う時も鏡を見る時も自信が持てるようになり、人とコミュニケーションを取る時にマスクを外すことができるようになった』と聞いて、本当に感動しました」とフックさんは当時を回想した。

 補装具を作るたびに、フックさん、ヒエップさん、そして他のスタッフ2人は、顧客からの肯定的なフィードバックと感謝の言葉を受け取り、喜びを感じている。「私はただ、身体に欠損のある人々が自信を取り戻し、恐れや後ろめたさを感じることなく社会で活躍できるように手助けをしたいんです」とフックさんは語る。

 フックさんたちは今後、生産を拡大し、複雑な欠損箇所もカバーできる補装具を製造し、全国各地で必要としている人々に製品を届けていきたいと考えている。

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[VnExpress 06:00 21/01/2022, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
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