フォンさんはこう語る。「生まれてから6か月経てば、レースに向けた訓練を始められます。ハトの安定性を把握するために、60km、120km、200km、350km、500km、600km、700km、800kmと飛行距離を伸ばしていきます」。
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ただし、この作業には多くのスキルとチャレンジが求められる。長距離訓練の場合、「コーチ」は他の省・市まで戦士を連れて行って放つ必要がある。
しかし、初めて放したときに戦士がそのまま姿を消してしまうケースも多い。基地に帰還する道中で天敵に遭遇したり、健康状態が十分でなく疲れ果ててしまったりするためだ。こうした場合、ブリーダーは孵化からやり直し、成長を待ってまた訓練を行う。
「良いレース鳩というのは、安定して飛行し、訓練中に時間通りに基地に帰還できるハトです。参加するレースに合わせて、スピードや持久力などそれぞれ優れた品種を選んでいます」とフォンさん。
フォンさんは「訓練中、ブリーダーは一定の距離を1~3回飛行させ、レースに参加するのに十分な体力があるかどうかを把握します。1羽の戦士が800kmの距離を飛べるようになるまで、100万VND(約5080円)以上のコストがかかります」と付け加えた。
戦士が飛行訓練で様々な試練を乗り越えられるようになると、「コーチ」はいよいよ戦士をレースに参加させる。条件や状況に応じて、レースは長距離だったり短距離だったりと異なる。
レース当日、ブリーダーは自分が育てた戦士たちを連れて会場に行き、参加登録をする。ここでは主催者が羽や目の色、体重を記録するほか、番号が書かれたスクラッチ式のシールを脚環につける。
その後、ブリーダーは主催者が事前に準備した放鳩地に戦士たちを連れて行き、規定の時間に一斉にケージの扉を開いて放つ。こうして空のレースを征服するための旅が始まる。
一方、その間にブリーダーは基地に戻り、自分の戦士が帰還するのをそわそわしながら待つ。