南中部沿岸地方ダナン市警察は14日、同市の各村に住む地元住民が2014年11月~12月下旬にかけて相次いで捕獲し、「スパイ鳩」の疑いが持たれていたハト16羽は、周辺諸国の「レース鳩」であったことを明らかにした。
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これらのハトは、羽の付け根近くに中国語らしき文字の正方形の印章が押され、両足には番号と文字が記されたプラスチック製の輪っかが装着されていた。この輪っかの中には電子チップが入っていたといい、地元住民らは、これらのハトが諜報目的で用いられる「スパイ鳩」なのではないかと不審に思い、捕獲して警察へ届け出た。
警察は印章の番号と文字、また電子チップの解読を行った結果、捕獲されたハトはいずれも中国や台湾、インドネシアなど周辺諸国の鳥レースクラブが所有するレース用の個体であることを確認した。長距離を飛行するレースの途中で疲れ果て、休憩のために同市の沿岸地域に着陸したものと見られている。
同市のほかに、南中部沿岸地方クアンナム省、同クアンガイ省、同ビンディン省などの各地方でも同様のハトが多数発見されていた。なお、今回このように身元不明の疑わしいハトが大きな反響を呼んだ背景には、南シナ海領有権問題を巡って越中関係が緊迫化している中で、当局だけでなく国民も中国に対する警戒を強めていることがある。