33年前に誘拐され、警察に保護されてホーチミン市ゴーバップ区の児童養護センターに送られたグエン・ティ・ノーさん(出生届では1987年生まれ)は、幼稚園教諭として働きながら、今も家族との再会という奇跡を待ち続けている。
(C) thanhnien |
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ノーさんは、自分がどこで生まれたのかも、生年月日すらもわからない。「私のルーツはどこ?」と、いつも自問してきた。幼いころのかすかな記憶の中でノーさんが知っているのは、自分が2つの孤児院の出自だということだけだ。
最初に入ったのはゴーバップ区児童養護センター。その後、トゥードゥック区少年村で育った。子供時代は多くの先生たちに手塩にかけて育てられ、穏やかな日々だった。
幼いころ、センターでは毎日ムオイ(本名:ルウ・トゥー・ホン)さんとチー(本名:レ・ティ・キム・チー)さんに愛情たっぷりに世話をしてもらっていた。2人は教会のボランティアグループのメンバーで、孤児たちの世話をしたり、勉強を教えたりするためセンターに通っていた。
学校に上がる年齢になると、ノーさんはセンターの外の公立学校に通うことが許可された。それ以来、ノーさんは外のコミュニティにも溶け込んでいった。
ムオイさんの話によると、ノーさんは生まれて間もないころに何者かに誘拐され、物乞いをさせられていた。その後、ノーさんは警察に保護され、現在のゴーバップ区児童養護センターである第4幼稚園に連れて行かれた。
当時センター長だったガム(本名:マイ・ティ・ガム)さんが、ノーさんを最初に警察から引き取った。ノーさんはセンターで新生児クラスに振り分けられた。1か月後、「グエン・バン・ノー」と名乗る男性が娘を探しにセンターを訪れた。