大学受験を迎えると、多くの人はリーさんが大学に通えるはずがないと口々に言ったが、両親は娘が行きたいところなら何処へでもついて行く覚悟があった。2009年8月、リーさんはホーチミン市自然科学大学で情報技術を専攻することになった。
(C) NVCC, VnExpress |
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その時50歳になっていた母親のクエットさんは、リーさんと一緒にホーチミン市へ移り住み、毎日リーさんが乗る車いすを押して通学した。家族の事情を知った大学は、クエットさんが大学の食堂や英語センターで働けるよう配慮した。リーさんが大学に通う4年間でクエットさんが帰省したのは2回だけ。父親のシーさんは田舎の家に残り、農業に勤しみ上の3人の娘たちを無事に嫁がせた。
リーさんはというと、たまたまデジタルマーケティングについての予備知識があったことからそれに関連した科目を選択し学んだ。その後、オンラインで仕事を請け負うようになったが、在学中は同じ分野を学ぶ障がい者向けに大学で無料で指導することの方が多かった。リーさんはこれまでに100人近くの障がい者を教えたほか、健常者も多数指導してきた。
仕事を請け負う中で、サーチエンジン最適化(Search Engine Optimisation=SEO)の分野に特化した仕事をするようになり、2011年にはオリジナルブランドを設立した。リーさんは在学中、成績優秀で4年間にわたり奨学金を得たほか、通常より半年早く卒業するという偉業を成し遂げた。