ベトナムとシンガポールの両国でザンさんが好きでないことの1つは、彼が通りがかると皆がお金を渡そうとすることだという。「私には仕事をする能力があります。他の普通の人と同じように、平等に扱って欲しいんです。私にお金を渡したいのであれば、現金を渡すのではなく、私を1000USDで雇ってください」とザンさんは語る。彼の友人たちも、ザンさんにおごろうとすることがある。しかし、ザンさんはいつも断っている。
(C) zing, ChannelNewsAsia, ザンさん(右) |
(C) zing, ChannelNewsAsia, 点字のついた職場のコーヒーメーカー |
ザンさんがまず一番変えたいのは、自身の故郷、ベトナムだ。ベトナムの多くの銀行は、現金自動預け払い機(ATM)を利用することができないとして、視覚障がい者に対して銀行口座の開設を認めていない。皮肉なことに、視覚障がい者にとって現金を扱わない取引こそが最良の方法だ。そのため、ザンさんは多くの銀行を説得し、この問題を解決することができたのだった。
ザンさんは今後、視覚障がい者向けにグラブの新しい地図システムを作成し、彼らの専用の画面に組み込む予定だ。「全てを作り出すことができる、という感覚が好きなんです」とザンさんはプログラミングの楽しさについて語る。そして彼の私生活について、どのようなパートナーを選ぶかたずねると、ザンさんは恥ずかしそうに答えた。「独立心があって、常に自分自身を向上しようとする女性が好きです。例えば私のような、ね」。