赤ザオ族
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衣装を特に重要視しているのが赤ザオ族だ。女性が身にまとう衣装は、その女性の創造性や優雅さ、繊細さを表すと考えられている。赤ザオ族の伝統的な衣装は基本の5色で装飾された、襟巻や頭巾、シャツ、ズボン、腰帯、そして脚を包むレッグラップで一式となる。
ザオ族はいくつものグループに分かれているが、真っ赤な頭巾をみれば赤ザオ族の女性であることは一目瞭然だ。頭巾は装飾が多いほど美しいとされ、女性たちは自分の頭巾にフリンジや鈴やコインなどの銀細工、ビーズなどを縫い付ける。歩くたびに揺れる装飾がなんとも優美だ。
赤ザオ族で何より特徴的なのが、女性は頭頂部のみ髪の毛を残し周囲の髪はきれいさっぱり抜くという慣習だ。冬から春にかけて男性たちが薪をくべ豚を絞めている頃、女性たちはかまどの火の側に集まって互いに髪の毛を抜き合う。
抜き終わると頭頂部の髪の毛にワックスを塗り赤色の頭巾を固定する。髪の毛を抜く行為とその髪型は夫への貞節や家庭円満の象徴とされてきたが、時代の変化に伴って現在では中高年の女性にのみ見られる髪型となった。