使い終われば捨てるだけのビールやジュースの空き缶をユニークなおもちゃに変えて、家族を養い、子供2人を大学まで出した男性がいる。メコンデルタ地方カントー市ニンキエウ区に住むマー・タン・ファットさん(62歳)だ。
(C) thanhnien |
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ファットさんの住む小さな家には、ファットさん自らが空き缶から作ったたくさんのおもちゃが飾られている。おもちゃは、車や帽子、灰皿、そして攻撃ヘリコプターや戦闘機など様々で、中でも飛行機は風が吹き抜けるとまるで離陸しようとしているかのようにプロペラが回る仕組みになっている。
ファットさんは30年間にわたり、空き缶からおもちゃを作って家族を養ってきた。1987年、家族の生活は苦しく、ファットさんは収入を得る方法を考えていた。
「当時、子供向けのおもちゃはとても少なかったんです。たまたまテレビを見ていて、海外には家の模型などを作るためにビンやペットボトルの廃棄物を探している人がいることを知りました。ベトナムもビールやジュースの空き缶は使い終わったら捨ててしまいます。そこで、廃棄物を利用して子供向けのおもちゃを作ろうと思いついたんです」とファットさん。
そうは思っても、本物そっくりのおもちゃをどう作るかが問題だった。ファットさんは模型や実物の研究を重ねて、ビールの空き缶で試作品を作っては捨てることを繰り返し、ついに完成品を作り上げた。