ハノイ市フースエン郡の人々は、テト(旧正月)が近付くと同郡在住の鋳出し職人であるラム・バン・ドンさんを雇い、1年間に収集した空き缶などのアルミのスクラップから鍋を鋳出してもらう。
(C) vnexpress |
(C) vnexpress |
ドンさんは妻とともに1994年からアルミ鍋の鋳出しを生業としている。夫婦は、鍋の鋳出しのニーズがあれば郡内の各村落や周辺地域までどこへでも出張する。鋳出した鍋は、テトの風物詩である「バインチュン(banh chung、ちまき)」作りに使ったり、親しい人に贈ったりする。
ドンさんによると、客は主に農民で、遠出をする機会もなく収入も低いため、市場で鍋を購入するのではなく、自宅に職人を呼んで、集めたスクラップで美しく耐久性のある鍋を鋳出してもらうのだという。
50×40cmのサイズの鍋を鋳出すには、約25~30kgのアルミが必要になる。成型にかかる時間は90分、費用は30万VND(約1500円)前後だ。
鋳出し作業には、鋳型と砂、石炭などの材料が必要になる。高温でスクラップを溶かして不純物を取り除き、純粋なアルミの液体だけを鋳型に流し込む。鋳型の中でアルミが冷えて固まったら取り出して完成だ。鍋には各家庭の名前を刻印し、見分けがつきやすいようになっている。