取材をするうちに、キムビエン市場で売られている化学薬品や食品添加物のほとんどが中国製であることが分かった。また、化学薬品を販売する大半の店が、爆発物取り扱いの条件を満たしていないことも分かった。
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キムビエン市場は、周辺住民からいつ火災が発生してもおかしくない「化学薬品の爆弾倉庫」と言われている。住民らは5区当局に対し、住宅地区から市場を移転するよう要望してきた。実際2014年10月には、ダンフイン社で化学薬品が爆発し、3人が死亡、数十軒の家が損壊する事故が起きている。
この事故を受けて5区当局は、キムビエン市場を近くのショッピングセンターに移転する方針を固めた。しかし店主らの反対に遭い、まだ実現に至っていない。
市党委員会のディン・ラ・タン書記は2016年5月20日の5区指導部との会合で、「死神市場」移転計画の進捗状況について、国営のサイゴン商業総公社(サトラ=Satra)に移転事業を任せるとの説明を受けた。これに対しタン書記は、国営企業に任せればいつ完了するか分からないと指摘し、入札にかけるよう指示した。また市人民委員会のチャン・ビン・トゥエン副主席は6月、移転先となる「化学薬品販売センター」建設案を早急に作成するよう指示している。