「ライチ酢」で国産ライチを救う、女性教師が社長になるまで

2016/02/28 05:02 JST配信

 中国産の流入により国産ライチの価格下落が続く中、東北部地方バクザン省で化学教師として働くバック・キム・ガンさん(女性・43歳)が、「ライチ酢」を作って奮闘している。自家製酢から始まり、今ではベトナム国内だけでなく、海外にも出荷されている。

(C) bizlive, ガンさん
(C) bizlive, ガンさん

 ガンさんは、同省ルックガン郡のチュー町立中学校の化学の教師だ。ライチ農家に生まれたわけではないが、ライチ農家の収入が中国産の流入に左右されているという現状を痛感していた。

 「売れなくて廃棄する年もあるようで、なんとかして他に生かせないものかと考えていました。まだたくさんの量を消費するほどまでには至っていませんが、少なくとも無駄を減らすのには役立っているかもしれません」と彼女は話す。

 本業以外の時間に、彼女は果物から何か別のものを作り出す研究を始めた。その中で、果物から酢ができることに興味を持った。彼女によると、現在市場にはたくさんの種類の酢が売られているが、人工的に作られたものは栄養価が低くて添加物の割合も高く、多くの商品に健康を害する成分が入っているという。一方、自然発酵により作られた酢は、栄養価は高いが、高価なものが多い。

 2013年の収穫の時期に、ガンさんは数かご分のライチを買い、皮を剥いて潰し、漬け込んでみた。しばらくすると液体は発酵し始め、いい香りがしてきた。家で料理に使った残りを親戚や友人に配ったところ、評判は上々だった。商品としてのプロセスやクオリティはまだ不十分だったが、この自家製酢のサンプルを検査してもらうと、品質基準を満たしているという結果が出た。

次ページ → 初めての大量生産と工場の開設

前へ   1   2   3   次へ
[Thanh Tam, VNExpress, 7/1/2016 | 08:20 GMT+7, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ハノイ市で16日、「ルックガンライチ販売ウィーク」が開幕した。販売するのはベトナム安全農産物基準(V...
 果物輸出を手掛けるアインズオンサオ社(Anh Duong Sao、ホーチミン市)はこのほど、国際基準のグローバ...
 東北部地方バクザン省や紅河デルタ地方ハイズオン省、同フンイエン省では、今年もライチの収穫期を迎え...

新着ニュース一覧

 カンボジア公式訪問を開始したチャン・タイン・マン国会議長は21日、カンボジアの首都プノンペンで、同...
 ベトナム共産党政治局・書記局は20日に開かれた会合で、政治局員・国会共産党連合会書記・国会議長在任...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ワインの輸入販売などを手掛けるエノテカ株式会社(東京都港区)は11月25日、ホーチミン市1区のホーチミ...
 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳...
 住商アグロインターナショナル株式会社(住商アグロ、東京都千代田区)は、ベトナムの農業資材販売会社で...
 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anph...
 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は19日、ダムゾイ郡でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam...
 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~...
 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り...
 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル...
 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した...
 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)傘下の政策開発研究所が先般発表した...
 医療機関向けパッケージソフトウェアの製造・販売を手掛ける株式会社エクセル・クリエイツ(大阪府大阪...
トップページに戻る