中国産の流入により国産ライチの価格下落が続く中、東北部地方バクザン省で化学教師として働くバック・キム・ガンさん(女性・43歳)が、「ライチ酢」を作って奮闘している。自家製酢から始まり、今ではベトナム国内だけでなく、海外にも出荷されている。
(C) bizlive, ガンさん |
ガンさんは、同省ルックガン郡のチュー町立中学校の化学の教師だ。ライチ農家に生まれたわけではないが、ライチ農家の収入が中国産の流入に左右されているという現状を痛感していた。
「売れなくて廃棄する年もあるようで、なんとかして他に生かせないものかと考えていました。まだたくさんの量を消費するほどまでには至っていませんが、少なくとも無駄を減らすのには役立っているかもしれません」と彼女は話す。
本業以外の時間に、彼女は果物から何か別のものを作り出す研究を始めた。その中で、果物から酢ができることに興味を持った。彼女によると、現在市場にはたくさんの種類の酢が売られているが、人工的に作られたものは栄養価が低くて添加物の割合も高く、多くの商品に健康を害する成分が入っているという。一方、自然発酵により作られた酢は、栄養価は高いが、高価なものが多い。
2013年の収穫の時期に、ガンさんは数かご分のライチを買い、皮を剥いて潰し、漬け込んでみた。しばらくすると液体は発酵し始め、いい香りがしてきた。家で料理に使った残りを親戚や友人に配ったところ、評判は上々だった。商品としてのプロセスやクオリティはまだ不十分だったが、この自家製酢のサンプルを検査してもらうと、品質基準を満たしているという結果が出た。