ハノイ市ホアンマイ区の道端で「おこわ」を売るMさんとあれこれ話していたときのこと。計算してみると、彼女の月収が1500万~1700万VND(約7万4000~8万3000円)にもなることがわかり、大変驚いた。この額は銀行員の平均月給の3倍にもなる。
(C) Tien Phong, Mさんの売るおこわ |
(C) Tien Phong, 毎朝賑わうおこわ売り |
彼女のおこわは人気で、早朝売りに出て、朝9時には売り切ってしまう。彼女が扱うおこわは種類が豊富で、甘いものから塩からいものまで7種類もあり、毎日寄っても飽きない。安くて手軽に食べられるおこわは朝食の定番で、どのおこわ売りのところにもひっきりなしに客が足を止める。
おこわ売りのMさんは、天気ばかりを気にしている。毎日10kgのもち米を用意するが、売れ行きの良い雨の日や涼しい日は多めに炊く。彼女の売る7種類のおこわはどれも1食1万VND(約49円)だ。
「緑豆の甘いおこわが一番儲かるね。もち米1kgと緑豆600gあれば、2kgのおこわができる。もち米は1kg3万VND(約147円)、緑豆やそのほかの材料を合わせて全部で8万VND(約390円)ぐらい。ざっと計算すると、もち米1kg当たりの利益は12万VND(約590円)てところかな」とMさんは明かしてくれた。他のおこわは1kg当たり4万~5万VND(約196~245円)の儲けになるという。
だが、客の心を掴むには、材料選びからおこわの炊き方、トッピングなど、そこにしかない味を持つ必要がある。「もち米はいいものを選んでる。トッピングもこだわって作っているし、衛生にもものすごく気を使っているよ」とMさん。売れ残ったことはないという。