Nさんは「家に帰っても体に染み付いた下水の臭いがします。妻や子供にまで臭いが移ったように感じる時もしばしばです。この仕事をするのは既婚者ばかりですよ。未婚の若者達は結婚できなくなるかもしれないと思っていますからね」と冗談ぽく言って笑った。
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通常より大きいマンホールの場合は、胸まである汚水を泳ぐように移動し、潜ってごみを掻き集めなければならない。雨の後はごみであふれ、臭いもきつくなる。休めるのは大雨の時だけだ。
想像しただけでも大変な仕事をこなしている彼らの月給はわずか800万ドン(約3万7400円)にすぎない。それでもこれは正社員の給与で恵まれている方だ。約1000人いる労働者のうち、契約期間が1年未満の非正規労働者がほぼ半分を占める。彼らの賃金は同じ仕事をしながら400万~500万ドン(約1万8700~2万3400円)だという。
マンホールの底でごみを集める仕事は1日当たり17万ドン(約794円)、上で引き上げる仕事は15万ドン(約701円)。つらいのはもちろん前者だが、非正規労働者達はたとえ2万ドン(約93.5円)でも余計に稼ごうとする。彼らには手当てがつかず、旧正月(テト)の賞与も正社員の3分の1にすぎない。この記事を読んだ読者からは、「賃金が低すぎる」、「気の毒すぎる」といった反応が寄せられている。