最近では、大金持ちの葬儀はイベント会社が手掛け、棺桶業者は下請け的な仕事を任される場合が多い。フランスの皇帝ナポレオン風の葬儀というものもある。宮廷服で着飾った100人が棺桶にかしずき、葬儀パレードは白のメルセデスベンツ10台を連ねて行うのだという。注意すべき点は、誰かが線香を手向けないようにする事だとか。
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チエウさんは、葬儀まで貧富の格差を示す道具に使われているとし、「葬儀は本来厳粛なもので、大切なのは後に残された人に祖先を思い起こさせる事だ。今は形式に捕らわれる人が多く、伝統的文化が忘れ去られている」と嘆いた。
ホーチミン市ゴーバップ区にあるビンキム寺内には、慈善団体による棺桶業者があり、貧困者やエイズで亡くなった人に無料で棺桶を提供している。同寺の僧侶フオック・トン師は、「宗教は常に人々に節約を説いている。人は死んで土、水、風、火に還る。次の世でより良く生きたいのなら、この世で自分や他の人のためにどれだけ良い事をしたかが問われる。葬儀を盛大に行えば全てを変えられるという訳ではない」と語った。