最も大変だったのは、データの収集と統一化の作業だったという。データは専門誌や研究資料に散在しているからだ。豊富な語彙、写真や図解などを実現するために、できるだけ多くの資料から情報を集めた。教授にも協力してもらい、語彙の統一化を行った。さらに科学研究学生賞をとったこともある獣医学科の翻訳サークルにも協力を仰いだ。
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そうして完成した辞書(VETDICT)と開発チームはハノイ農業大学の科学研究学生賞を受賞する。2010年のベトナムの優秀な開発作品に贈られる賞では165作品中で18位に入った。
ズイは受賞の際に次のように語っている。「製品としては技術的にもデータ的にももっと充実させないといけません。ただこの製品のメリットは、パソコンの使い方を少しでも知っている人なら誰でも使えるという点で、新しい専門分野を学ぶ学生やこれから学ぶ人たちの手助けになれればと思います。」
ハノイ農業大学獣医学科の重鎮チン・ディン・タウ教授は、この山岳民族出身の学生を評価してこう語った。「熱心で勤勉、積極性やチャレンジ精神もある。彼は自らの選んだ道を切り開いて行ってくれるだろう。」