こうして26歳のとき、最初の小説「Never doubt my heart」の翻訳を終えた。周囲の勧めもあり、翻訳した作品を出版社に投稿したところ、同出版社の編集者から評価され、翻訳の仕事を任されるようになる。出版社の依頼のほか、インターネットを通じて読んだ海外の作家の文学作品を翻訳する仕事も始める。
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それらの活動を通して知り合った作家の中には、Shirly Cheng(生まれつき目が不自由なアメリカ人作家)がいる。Shirlyをはじめ多くの作家はランさんの活動を応援し、著作権料も要求しないという。これまでに翻訳した作品の1つAda Aharoni著の「From the Nile to the Jordan」(ユダヤ人の悲劇的な歴史と思いを綴った作品)を翻訳した際、原作著者に平和の願いを込めた短編を書き下ろして贈ったところ、同作品が国際平和文化文学開発フォーラムで紹介され、注目を集めた。
ランさんは、現在も病と闘いながら、自分と同じような病に苦しむ人、苦難に立ち向かう人を励ます内容の文学作品を毎年1作品翻訳し、児童擁護施設を訪れて、本を寄贈する活動を続けている。