ホーチミン市経済大学銀行学科4年生のチュオン・コン・リーは、8月にベトナムで実施されたTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)で満点の990点を獲得した。
TOEICを制作している米国の非営利テスト開発機関ETS(Educational Testing Service)によると、ベトナムで実施されたこのテストで満点を獲得したのは彼が初めてだという。これまでに10人ほどが高得点を記録しているが、そのほとんどは外国人だった。
コン・リーは北中部ハティン省の生まれ。彼にとって英語はずっと遠い存在だった。2004年に家族とともにホーチミン市に移住したとき彼は中学4年生だったが、英語を勉強し始めたのはそれからだったという。彼は「友人たちは英語を得意科目にしていたけれど、僕は全然だめだった。最初は英語センターの子供向けクラスに入って勉強した」と話す。
高校入学試験では、英語の点数が悪いために危うく不合格になるところだった。高校時代も数学など他の科目の勉強に追われ、英語の成績はよくなかった。英語を本格的に勉強し出したのは大学に入ってからだ。
彼によると、英語の勉強は家の建築に似ているという。単語は重要な建設資材との考えに沿ってあらゆる機会を使って語彙(ごい)を増やし、ネット上で英語の新聞記事を読んだり、外国映画を見たりして読解力と聞き取り能力を鍛えた。
コン・リーは昨年末にTOEICを受け955点という結果を得た。しかしこれに満足できず、2回目の挑戦で最高点を勝ち取った。