※カード式公衆電話消滅の危機1より続く
-存続か廃止か-
GPC社の代表は、携帯電話利用者数がどこまで伸びてもカード式公衆電話がなくなることはなく、駅、空港、病院、学校などの公共施設での公衆電話の利用価値は依然高く需要があるとし、またカード式公衆電話の存続はこれまで個人商店の軒先にある貸し電話にみられるように違法な通話料金計算で消費者を食い物にしている現象を防ぐことができると述べた。
しかしながら実情はというと、公衆電話を公共施設に設置することはなかなか容易ではない。ある省の郵便電話局によると公共施設に公衆電話を設置するというと断られるケースがあとを絶たないという。それは公共施設管理者が公衆電話よりも場所を外部者に貸しそこで貸し電話サービスをやらせた方が場所のレンタル料を取れるためである。
公衆電話サービスの収益が伸びない理由は他にもある。カード式公衆電話から市内にかけると3分までは一律1200ドンと決められており1分でも同料金で4分目からやっと400ドン/1分の料金となる。また市内の異なる区への通話はハノイ、ホーチミン、ダナン市のみは市内料金で済むがあるが、他の市町では中距離料金が適用され市内料金より高い通話料金を払わなければならない。
さらに、公衆電話は無人のサービスにもかかわらずVNPT社は利用者から"サービス料"という名目で中距離通話、長距離通話、携帯電話の利用者から1通話ごとに500ドンを徴収していることは自ら利用者を遠ざけているとしか思われない事実である。
GPC社ではこのような状況の中さらに1万台のカード式公衆電話を設置する計画だという。公衆電話網の充実を目指すとしているが前述のような企業努力が見られない料金設定ならばベトナム全土から公衆電話が姿を消す日もそう遠いことではないだろう。<終>