ホーチミン市工業大学所属の環境管理・科学技術研究所のグエン・カック・ビエン研究員は、コーヒー果実の内果皮(パーチメント)からワインを生産することに成功した。
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ベトナムは世界第2位のコーヒー豆輸出国だが、生産される630万tのコーヒー豆のうち、精製後に残る約250万t(40%相当)の内果皮は利用されることなく廃棄されていて、環境汚染の原因にもなっていた。
内果皮には糖分(14.4%)と各種アミノ酸を含むタンパク質(10.1%)が含まれているため発酵に適していて、ワインやアルコールの製造原料になりうる。また、がんや心臓疾患の予防、免疫の強化に役立つとされるポリフェノールが含まれている。
ビエン氏は、コーヒーの内果皮から製造するワインは、コーヒー豆栽培農家にとって大きな価値を生み出す可能性があると考えて、研究に取り組んだ。このワインは、10月にホーチミン市で開催された食品加工とハイテク農業分野のバイオテクノロジー専門の展示会「テックマート(Techmart)」で紹介された。
環境管理・科学技術研究所のレ・フン・アイン所長は、このアイデアは実現可能性が高く、製品化に向けた大きな潜在力があると評価。研究所として製品化をサポートする用意があると述べた。