4月末、旅客機パイロットが搭乗前の薬物検査で陽性反応が認められたことが大きな話題になっている。
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陽性反応が出たのは、ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)所属のパイロットP・H・D氏。今回の件については、関連機関が調査中で、HVNは既にD氏を職務停止処分としている。
HVN傘下の診療所は4月25日、VN578便(ハノイ~台北間)の運航に際して、パイロットの健康チェックを実施したが、D氏はその際に薬物検査を拒否した。診療所は同日、関係者の協力を得て、D氏を総合クリニック「メドラテク(Medlatec)」(ハノイ市ロンビエン区ゴーザートゥ=Ngo Gia Tu通り141番地)に連れていき、薬物検査を受けさせた。
その結果、迅速検査と精密検査の両方で、薬物の一種であるケタミンの陽性反応が確認された。
D氏は、医師の処方箋なしで服用しているという2種類の鎮痛剤を提出。具体的には、ウルトラセフ=Ultracef(トラマドール塩酸塩、パラセタモール)とエフェラルガン・コデイン=Efferalgan Codeine(パラセタモール、コデイン)だった。
しかし、診療所によると、上記2種類の鎮痛剤の有効成分はケタミンと同じ成分を持っておらず、体内の代謝過程でもケタミンを形成することはないという。
なお、HVNはD氏に対し、別の医療施設で再検査を受けさせている。D氏が麻薬を使用したことが判明した場合、現行規定に従って操縦ライセンスをはく奪する。