ホーチミン市共産党委員会傘下タントゥアン工業開発(IPC)の子会社が同市ビンチャイン郡アンフータイ(An Phu Tay)住宅区の多くの分譲地を不当な価格で売りさばき、国に多額の損失をもたらした事件で、同市人民裁判所は20日、IPC元社長のテー・チー・ズン被告(男・41歳)に禁固12年の判決を下した。
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同じくIPCに勤務していた共犯の6人は、執行猶予付き禁固3年~禁固5年の判決だった。7人はいずれも公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪に問われていた。
ズン被告の指導のもと、IPC傘下の南サイゴン開発(サデコ=Sadeco)はアンフータイ住宅区内の分譲地151区画中149区画を、時価を下回る価格で4人の個人に売却し、国に1022億VND(約6億2000万円)の損失をもたらしたとされる。
民事上の損害賠償について、裁判所はズン被告に対し、国に400億VND(約2億4000万円)を支払うよう命じた。他の被告が負担する賠償金は、役割や加担の度合いによって決まる。
ズン被告は今月16日に開かれた別の裁判で、同裁判所から禁固15年の判決を言い渡されている。IPC傘下のセップゾーン・リンチュン(Sepzone Linh Trung)で政府代表を務めていた期間に、国が受け取るはずの報酬を横領したとして公的資産横領罪に問われていた。
さらに、今年6月に開かれた、IPCがサデコ株を違法に売却して国に多額の損失をもたらした事件の控訴審では、同被告は公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪で11年、公的資産横領罪で9年の計20年の禁固刑を言い渡されている。
ベトナムでの禁固刑は最大30年と規定されているため、今回の判決を含め3つの刑事事件に関与したズン被告に対する禁固刑は計30年となる。