保健省は24日、地場ベトアー・テクノロジー・コーポレーション(Viet A Technology Corporation、ホーチミン市)の製造する新型コロナウイルス検査キットの流通認可を取り消した。
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これには、ベトナム人民軍の軍医学院と同社から成るコンソーシアムによる新型コロナウイルス検査キットの研究開発(R&D)、評価、流通認可、価格設定、購買調達に関する汚職事件で、逮捕者が続出していることが背景としてある。
軍医学院とベトアー社のスタッフから成る同コンソーシアムは2020年、新型コロナウイルス検査キットの研究開発を実施し、同年中に流通認可を取得。流通認可期間は5年間となっていた。
問題の検査キットはその後、2020年から2021年にかけて全国63省・市のうち62省・市の疾病管制センターや医療施設などに販売され、売上高は4兆VND(約230億円)に上った。同社は生産コストを水増しして不当な高値で販売し、この価格に同意した見返りとして、疾病管制センターや医療施設の長に合わせて約8000億VND(約47億円)の賄賂を渡していた。
公安省傘下の捜査警察機関は2021年12月、同社が地方政府の医療当局と結託し、検査キットの価格を水増ししていたとして大規模な捜査を開始。各省・市の警察も一斉に捜査に乗り出した。
ベトナム共産党政治局傘下の腐敗防止中央指導委員会は、今回の事件を重く見て捜査を直接監視している。同事件を巡っては6月下旬までに、公安省および各省・市の警察に逮捕された容疑者数が70人余りに達しており、これにはグエン・タイン・ロン元保健相やチュー・ゴック・アイン元科学技術相などの高級官僚も含まれる。
なお、国防省の捜査機関も同事件の捜査を進めており、これまでに士官2人を逮捕している。