昨年10月にスペインでオークションに出され、日本円にして約1億0600万円もの金額で落札された阮(グエン)朝(1802~1945年)の官帽(帽子)が、まもなくベトナムに帰ってくる。
(C) vov |
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2021年10月、スペインの競売会社Balclisが実施したオークションで、阮朝の官帽が開始価格の1000倍で謎の人間により落札されたことが話題を呼んだ。落札者の正体は今もなお判明しておらず、愛好家の好奇心を掻き立てている。
落札者は、この官帽をおよそ200億VND(約1億0600万円)で手に入れたほか、同時に、フエの王宮で使用されていた「日平服(ao Nhat Binh)」と呼ばれる様式の衣服も落札した。
Balclisのウェブサイトによると、官帽は19世紀末から20世紀初頭の阮朝時代のもの。写真ではほぼ原形をとどめており、金箔で四霊(麒麟・鳳凰・亀・竜)が装飾された木箱も備わる。研究者は、この官帽が、なかでも非常に重要な地位にあった者のものだった可能性が高いと見ている。
税や各種費用を含め350億VND(約1億8500万円)にも及ぶとささやかれる、この2つの骨董品。新たな所有者はベトナムの有名グループと見られ、その正体について様々な憶測が飛び交う。現在はベトナムに帰国する途上にあり、今月末か来月初にも到着する予定だ。