北中部地方ゲアン省と同ハティン省にある履物メーカーと電子メーカーの計3社の工場で15日午後から昇給を求めるストライキが相次いで発生し、工場労働者合わせて約1000人が職場を放棄した。
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ゲアン省ビン市ビンタン街区(phuong Vinh Tan, TP. Vinh)にある外資系EMテック(EM - Tech)では、同日午後1時から工場労働者500人以上が工場の敷地内で「昇給」「年功序列手当の平等確保」「給食の充実化」「工場労働者全員の新型コロナウイルス検査(毎週月曜日)」の4事項を求めてストライキを行った。
同社は1700人の工場労働者を抱えているが、500人以外はストライキに参加しなかった。
EMテックの責任者は、「3月から昇給を行う計画が既にある。年功序列手当については、社歴が長いほど手当が多いという公平な制度を確保している」と説明し、給食費を増やす形で給食の充実化を約束した。新型コロナウイルス検査については、保健当局のガイダンスに従って実施しているが、工場労働者の要求を検討するという。
同社とビン市の労働組合から説明を受けた後、工場労働者は帰宅した。
また、ゲアン省ジエンチャウ郡(xa Dien Chau)にあり、1000人の工場労働者を抱えているナムトゥアン(Nam Thuan)では、同日午後から工場労働者約200人がガソリン手当など手当の引き上げを求めてストライキを行った。同社とジエンチャウ郡の労働組合から説明を受けた後、工場労働者は帰宅した。
さらに、ハティン省ホンリン町(thi xa Hong Linh)にあり、2000人の工場労働者を抱えている外資系ハイビナ(Haivina)でも同日午後、工場労働者約200人が昇給や新型コロナ補助金の支払い、手当の確保を求めて約30分のストライキを行ったが、その後に帰宅した。工場労働者の要求について、ハイビナは韓国の親会社に意見を仰いでいる。
ストライキが多発している背景には、ゲアン省ジエンチャウ郡にある外資系履物メーカー「ベト・グローリー(Viet Glory)」の工場で、テト(旧正月)明けの7日午後から大規模なストライキが発生し、同社が工場労働者の要求に応じて「昇給」や「年功序列手当の導入」に同意して14日に工場労働者約4600人が職場に復帰したことがある。
なお、2022年に入ってから全国では28件のストライキが発生している。ただし、前年同期比では▲7件減少した。原因はいずれも給与や賞与に関するものだった。