ホーチミン市人民委員会傘下のサイゴン農業総公社(サグリ=Sagri)が公有地を違法に売りさばいた事件で、ホーチミン市人民裁判所は18日、被告19人に有罪判決を下した。
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この事件は、サグリの元役員らが2018年に、同社の管理する公有地(ホーチミン市直轄トゥードゥック市フオックロンB街区)を競売を行わずにフォンフー総公社(Phong Phu Corporation)に違法に売り出したほか、サグリの資金を個人の旅行などで不正に使用し、国に多額の損失をもたらしたもの。中でも、この公有地の違法販売は国に3480億VND(約17億円)の損失をもたらした。
同事件ではサグリの元社長レ・タン・フン被告(男・58歳)が主犯格として特定され、公的資産横領罪で14年、公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪で11年の計25年の禁固刑を言い渡された。
フン被告は、元政治局員・ホーチミン市共産党委員会元書記・同市人民委員会元主席であるレ・タイン・ハイ氏の実の弟。地元紙によると、兄のハイ氏もトゥードゥック市トゥーティエム新都市区案件の深刻な違反に関与したとされている。
裁判では、ホーチミン市人民委員会元副主席のチャン・ビン・トゥエン被告(男・56歳)が公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪に問われ、禁固6年の判決を受けた。公有地の違法販売を認識していたにもかかわらず、トゥエン被告はフン被告がハイ氏の実の弟であることに配慮し、販売を承認した。
サグリの元会長や元チーフアカウンタント、またホーチミン市人民委員会や同市建築計画局、同市建設局の幹部、V.Y.Cトラベル(V.Y.C Travel)社長とピース・インターナショナル・トラベル(Peace International Travel)の社長やチーフアカウンタントなどの他の被告は、公的資産横領罪や公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪、犯罪隠匿罪に問われ、執行猶予付き禁固3年~禁固20年の判決を言い渡された。
被害の是正について、裁判所は問題の公有地購買契約を無効化し、ホーチミン市人民委員会に土地を回収しサグリに管理させるよう命じた。