新型コロナウイルスワクチン「ナノコバックス(Nanocovax)」を開発中の地場ナノゲン社(Nanogen、ホーチミン市)はファム・ミン・チン首相に対し、ナノコバックスについて緊急措置としての使用を許可するよう提案した。同社のホー・ニャン会長 兼 社長が22日に明らかにした。
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同氏によると、ナノコバックスの月産能力は800万~1200万回分となり、11月以降は3000万~5000万回分に増やす計画だ。同社はまた、国際基準を満たした収容能力1000万回分のワクチン保管倉庫や2~8度の温度でワクチンを保管する冷蔵トラックを確保するという。
これについて、保健省傘下科学技術訓練局のグエン・ゴ・クアン副局長は22日夜、現在のところナノコバックスの緊急使用を許可するのに十分な科学的根拠がなく、国民の安全を最優先する必要があるとして、現時点では許可しない方針を明らかにした。
なお、ナノコバックスの臨床試験を管轄する国防省傘下の軍医学院はこれに先立つ10日、第3期臨床試験を開始した。第3期臨床試験では、被験者計1万3000人を2つのグループに分けて、25mcgのワクチン(第2期臨床試験の結果で最適とされた量)とプラセボ(偽薬)の接種を行う。
これまでに1000人が接種を受けており、いずれも健康状態は良好だ。