複数の省の当局が、地場ナノゲン社(Nanogen、ホーチミン市)が開発中の新型コロナウイルスワクチン「ナノコバックス(Nanocovax)」の接種を希望していることについて、保健省は難色を示している。
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チャン・バン・トゥアン保健次官は、「複数の省が臨床試験に参加することは、研究の範囲を拡大し、ワクチンの安全性と有効性を評価するのに役立つ」と評価する一方、「(保健省から)使用許可が下りない限り、国民への大量接種はできない」と述べ、慎重な姿勢を崩していない。
東南部地方ビンズオン省人民委員会は2日、保健省に対し、同省企業連合会の希望として省内企業の労働者20万人(労働者全120万人の16%相当)にナノコバックスを接種するよう提案した。
ビンズオン省は、4月末から広がった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国内第4波で最も影響が深刻なホーチミン市に続き、市中感染者数が全国で2番目に多い地方となっている。
南中部沿岸地方カインホア省人民委員会は5日、市民の大量接種に向けてナノコバックス70万回分を発注したことを明らかにした。購入費は地方予算と寄付金で賄う。省当局はこれに先立つ2日、保健省、ナノコバックスの臨床試験を管轄する国防省傘下軍医学院、およびナノゲン社宛てに公文書を送付し、カインホア省でのナノコバックスの接種を早期に手配するよう要請した。
南部メコンデルタ地方ドンタップ省人民委員会もナノコバックス20万回分の購入に向けて準備を進めている。
なお、ナノコバックスは第3期臨床試験が8月中旬に終了し、緊急使用許可を申請する見込み。ナノコバックスを接種した人々の追跡調査結果がこのほどナノゲン社によって初めて発表され、予防効果が90%に上ることが分かった。