保健省の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する4日午前の発表によると、ハノイ市と南中部沿岸地方ダナン市で市中感染者2人が新たに確認された。また、海外からの入国者2人の感染も確認された。
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4日午前の時点でベトナム国内の新型コロナ累計感染者数は2985人、死者数は35人となっている。
4月27日以降に確認された市中感染(うち1人は入国後の隔離期間終了後に陽性)は7省・市の計37人。内訳は、◇ハナム省:14人、◇ビンフック省:14人、◇ハノイ市:4人、◇北部紅河デルタ地方フンイエン省:2人、◇西北部地方イエンバイ省:1人、◇ホーチミン市:1人、◇南中部沿岸地方ダナン市:1人。
新規の市中感染者2人のうち1人(2985人目の感染者)はハノイ市で感染が確認された。この感染者は、ベトナムを陸路で出国した後に中国当局の検査で陽性となった中国人専門家2人(当初の報道は1人)が、ベトナム滞在中の4月29日に搭乗したダナン発ハノイ行き便で近くの座席だった。
中国人専門家らは、4月9日から23日までイエンバイ省のホテル「ニューグエット2(Nhu Nguyet 2)」で隔離措置を受けていたが、同ホテルでは同じく隔離措置を受けていたインド人専門家4人とホテル従業員1人の陽性者も出ている。
また、別の市中感染者1人(2982人目の感染者)はダナン市で感染が確認された。自宅は南中部沿岸地方クアンナム省ホイアン市にあり、4月29日からダナン市ハイチャウ区で仕事をしていた。2日に熱や倦怠感などの症状が出たため検査を受けたところ、翌3日に陽性となった。この感染者については感染源が明らかになっていない。
市中感染の拡大を受けて、全国各地で感染対策を強化している。
ダナン市では感染源不明の市中感染者が出たことから、4日午前0時から不要不急のサービスを休業とするほか、文化・スポーツ・宗教などのイベントや活動、幼稚園から大学までの登園・登校を停止している。休業となるサービスは、娯楽施設、美容施設、バー・パブ、ディスコ、カラオケ、マッサージ、ゲームセンター、映画館、カジノ、インターネットカフェ、歩行者天国、ナイトマーケットなど。
ハノイ市では3日午後5時から、市内の遺跡や宗教施設を閉鎖し、路上で営業している飲食店やカフェの営業を一時停止している。また、4日以降は幼稚園、小学校、中学校、高校の登校を停止し、自宅でのオンライン授業に切り替える。いずれの措置も、当局から新たな通知が出るまで継続する。
また、ホーチミン市では3日午後6時から、市内のマッサージ、サウナ、劇場、映画館、ゲームセンターなどの営業を一時停止している。
隔離期間終了後に陽性となった2例から市中感染が拡大していることから、当局は入国者の隔離措置について、14日間の隔離期間中に2回の陰性の結果が出て隔離終了の条件が整った場合でも、4日午前0時から新たな通知が出るまでは隔離を終了せず、隔離施設に留まるよう要請している。
なお、午前の保健省の発表後にハノイ市で新たに1人の感染が確認された。この感染者は地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC]傘下のビンファスト(VinFast)に勤務するインド人専門家で、ハノイ市ホアンマイ区の都市区「タイムズシティ(Times City)」に居住している。4月17日にベトナムに入国し、北部紅河デルタ地方ハイフォン市のホテルで隔離措置を受け、隔離中の2回の検査では陰性だったが、3日に再度受けた検査で陽性となった。これを受けて、当局はタイムズシティのパーク10(Park 10)を一時封鎖している。