テト(旧正月)が間近に迫る中、ハノイ市ウンホア郡クアンフーカウ村(xa Quang Phu Cau, huyen Ung Hoa)は昼夜を問わず忙しく賑やかで、鮮やかな赤色の線香の束が一面に並んでいる。クアンフーカウ村はハノイ市に残る唯一の線香村で、100年余りの歴史を持つ。
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線香を作るにはまず、竹を割り、乾かす。乾かすために村の道路から畑、墓地まであらゆるスペースを活用する。それから、乾かした竹を線香のサイズに合わせて切る。線香をより美しく均等にするため、切ったものを束にしてまとめる役割も重要だ。
線香作りに携わる人々の日給は1日20万VND(約960円)。以前は線香作りといえば二次産業としての立ち位置で、国内向けだけでなくインドや中国などの海外への輸出向けにも生産していた。
しかし、近年は輸出が減り、生産に携わる人々の生活も苦しくなってきた。以前と比べて生産量は減ったものの、小さな集落に赤色の線香が広がる風景は世代を超えてこの地の人々に親しまれている。