北中部地方タインホア省人民委員会は22日、9月初めに「貧困手帳」を自主返納したドー・ティ・モーさん(女性・83歳)に対して奨励賞を贈った。
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同省トゥオンスアン郡ルオンソン村(xa Luong Son, huyen Thuong Xuan)人民委員会で授賞式が執り行われ、同省人民委員会主席がモーさんに賞状を授与した。授賞式には内務局や労働傷病兵社会局の幹部も列席した。
モーさんは2018年にも同村人民委員会の社会政策部に貧困手帳の自主返納に訪れたが、高齢の一人暮らしであることから人民委員会は返納を受け入れなかった。その後、今年の9月初めに再度、1人自転車を漕いで自宅から1kmほど離れた役場に赴き、自らを貧困層に値しないと申し出た。すると、新しい基準に基づくとモーさんは貧困世帯には該当せず、今回は「希望通りに」貧困手帳の返納が認められた。
モーさんは抗仏戦争時代に消防隊として祖国に貢献した。その後も繰り返される戦争の中、モーさんは故郷で戦争によるトラウマや喪失感、家族の戦死や枯葉剤被害に苦しむ人々を目の当たりにしてきた。そのような人々と比べれば自分は貧困には値しないと数年前から貧困手帳の返納を心に決めていた。そして手帳を返納することで、全国の貧しい人々がより良い生活を目指して自立するための励みになればと願っている。
1987年に夫を亡くして以来、モーさんは稲作をして女手一つで11人の子供(うち1人は養子)を育て上げた。11人のうち2人は既に亡くなっている。高齢の現在は細い路地にある20m2の小さく古い家に2人で暮らし、稲と野菜を栽培しては売って生計を立てている。