農業農村開発省獣医局によると、今年に入って猛威を振るっているアフリカ豚コレラ(ASF)の感染が、新たにバリア・ブンタウ省(東南部地方)とラムドン省(南中部沿岸地方)の2か所でも確認された。これにより、ベトナム全国63省・市のうち60省・市まで感染が拡大したことになる。
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ASFは6月24日までに、全国60省・市の459郡および4401村で感染が確認され、殺処分された豚は2800万頭にも上っている。未だ感染が確認されていないのは、◇ベンチェ省(メコンデルタ地方)、◇ニントゥアン省(南中部沿岸地方)、◇タイニン省(東南部地方)の3省のみ。
ASFは現時点で治療法がなく、強い伝染力と高い致死率が特徴の深刻な疫病だが、豚といのししの病気であり、それ以外の家畜や家禽、水禽、そして人間には感染しない。
獣医局は地方当局に対して、疫病予防と検査の強化を指導しているが、伝染力が非常に強いため、感染拡大を食い止めるのが難しいのが現状のようだ。
なお、5月末には南中部沿岸地方クアンナム省で検査を受けていない39頭の豚を運送しているトラックが発見され、罰金800万VND(約3万6700円)の支払いと豚の殺処分を命じられている。このトラックは、ASFに感染した豚を乗せて複数の省を行き来していた。