地雷・不発弾処理を専門に行うNGO(非政府組織)「RENEW」と「ノルウェー人民援助(NPA)」は4日、北中部地方クアンチ省ゾーリン郡ゾーベト村からの緊急要請を受けて、重量340kgの不発弾Mの爆破処理に成功した。
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不発弾は航空機搭載爆弾のM117で米軍が投下したとされるもの。同村の人民委員会主席と幹部がプロジェクト引き渡しに向けて測量をしていたところ、同村ホアンハー集落の森で発見した。不発弾は底蓋の一部と周囲に取り付けられていたダイナマイトが取り外されていた。
爆破処理班は3日から不発弾の移動作業に取り掛かり、4日午後にチエウフォン郡チエウチャック村の爆破処理場で、爆薬40kgを使って爆破処理を行った。
不発弾がどのような経緯でいつからその地にあったかは不明だが、住民からは10日ほど前に不審者の目撃情報も出ている。
ゾーリン郡の西側は1954~1972年にかけて北ベトナムと南ベトナムの暫定的な軍事境界線だった北緯17度線にかかっており、米軍から激しい爆撃を受けた地域として知られる。
戦後40年が経ち、同省では地雷で汚染された土地のうち10%に相当する4万haでおよそ60万基の地雷や爆発物の処理が完了している。このうち4%に相当する1万6000haは国際組織やNGOの支援を受けて実施された。RENEWとNPAは4月にも同省ハイラン郡の森林で発見された同型の不発弾の処理に成功している。
不発弾の爆破処理が進められる一方で、同省では一部の住民が廃材の収集転売で収入を得ており、不発弾などの危険物を解体したことによる爆破事故も起きている。