北部地方で拡大を続けているアフリカ豚コレラ(ASF)だが、南部地方でも消費者の豚肉買い控えが起きており、豚肉の価格は下落を続け、養豚業者や豚肉販売業者から悲鳴が上がっている。当局によれば、南部地方ではアフリカ豚コレラ感染予防対策が強化され、安全性も十分に確保されているというが、豚肉の価格は下落の一途を辿っている。
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養豚業者では、取引価格が下落しているだけでなく取引頭数も減っているため、出荷日齢を過ぎて重量120~130kgに達しても売れ残ってしまった豚の肥育管理にかかる費用もかさんでいる。
ホーチミン市の豚卸売業者は、豚肉の買い控えの影響を受け、通常は1日60頭仕入れるところを現在は半分の30頭にしている。それでも卸売市場での豚肉価格の下落により赤字になる日もあるという。同市ホックモン郡のホックモン卸売市場で取引される豚の頭数は、通常時より▲1000~1200頭少ない3600~3900頭に減少している。
1kg当たりの取引価格も前週比▲3000~4000VND(約14.4~19.3円)減となっており、1類で5万4000~5万6000VND(約260~270円)、2類で4万8000~4万9000VND(約230~240円)に下落している。
従業員10万人超を抱えるある外資系企業では、これまで給食に毎日5tの豚肉を消費していたが、先週から従業員への豚肉提供を中止している。ホーチミン市をはじめとする南部地方のベトナム企業や学校でも数週間前から相次いで豚肉を使用した食事の提供を取り止めている。
なお、アフリカ豚コレラは27日までに北中部地方以北の23省・市で感染が確認されている。