サイゴンビール・アルコール飲料[SAB](サベコ=Sabeco)による土地の違法販売事件で、公安省は10日、ホーチミン市人民委員会元副主席をはじめとするホーチミン市の複数の上級幹部および元上級幹部を、規定違反で容疑者として捜査することを明らかにした。
捜査対象となるのは、ホーチミン市人民委員会元副主席のグエン・フウ・ティン容疑者(男・61歳)のほか、◇ホーチミン市資源環境局元局長、◇ホーチミン市人民委員会官房次官、◇ホーチミン市人民委員会官房都市管理部長、◇ホーチミン市資源環境局土地管理部長の5人。いずれも家宅捜索を受け、居住地から出ることを禁止されている。
問題の土地は、販売時に国営企業だったサベコが保有していた同市1区ハイバーチュン通り2-4-6番地にある面積6000m2余りの一等地。容疑者らはサベコの幹部らの違法販売を支援した疑いが持たれている。
同省は事件の全容を把握すべく、ホーチミン市当局だけでなく、サベコおよび同社を所管する商工省の複数の幹部を調査している。
ホーチミン市資源環境局土地管理部長以外の4人は、不動産業界の大富豪のファン・バン・アイン・ブー被告(男・43歳)が同市の公地を時価を大きく下回る価格で取得し、多額の公的資産損失を引き起こした事件でも、同被告を支援した疑いで容疑者として捜査を受けている。